アートフィルターとは、デジタルカメラに搭載されているデジタルエフェクトを指します。

一応フィルターとは言いますが、全く光学的なフィルターではございません。

デジタル画像処理による、フィルター効果なのでございます。

フィルムカメラでは専用のアクセサリーや特殊な現像処理が必要だった表現を、カメラ内部のデジタル処理で可能にしたと言う事なのです。

そのためなのか「マジックフィルター」と呼ぶ人も少なからずいます。


デジタル処理のプロセスは二つに大別されます。

  1. 撮影時にアートフィルター効果が実行されるもの。
  2. 撮影後にアートフィルター効果を調整できるもの。

また撮影後にメーカー専用のパソコンソフトを利用して、撮影データにカメラと同じアートフィルターを適応できるものもございます。


もともと「アートフィルター」という名称は、OLYMPUS様が2008年末に発売したデジタル一眼レフカメラE-30に初めて搭載した時に名付けた名前です。

それまでレンズのストレートな眼差しを、いかに忠実に画質に再現するかに力を注いできたカメラメーカーが……

相反するクリエイティブな効果を、カメラ本体にやらせてしまう……

その逆転の発想が、撮影者に受け入れら大ヒットとなりました。

アートフィルターは、今ではメーカーを問わずにデジタルカメラには不可欠な機能となりました。


近年は特殊効果よりも、フィルム写真の画質をアートフィルターで再現したフィルターが人気を博しています。

特にユニークなのは、唯一フィルムメーカーでもあるFUJIFILMのカメラにおいて……

「フィルムシミュレーション」という名称で、自社の銀塩フィルムの画質をデジタルフィルターで再現しているのでございます。

アートフィルターは、まさしくデジタルカメラならではの機能の一つなのです。