ベイヤー配列とは、CCDやCMOS等のイメージセンサー(撮像素子)の素子(画素)の並び方の一つです。
イーストマン・コダックの技術者であったBryce E. Bayerさんが発明したので、発明者の名前をとって「ベイヤー配列」と呼ばれています。
他の素子(画素)の並び方としては、SIGMAのFaveonやFUJIFILMのX-Trans方式などがあります。
しかしそれらを除くと、現在発売中のデジタルカメラのほとんど全部にベイヤー配列が採用されている程の大人気なのでございます。
そもそも素子(画素)の配列とは何でしょうか?
実はイメージセンサー(撮像素子)自体は、入射した光の強弱しかわからないのです。
つまり入射した光の強さを電気信号に変えるだけで、色は全くわかりません。
そのためにイメージセンサー(撮像素子)単独では、白黒(グレースケール)の写真しか撮れないのであります。
ええ?俺のデジカメはカラーで撮れるって?
それはイメージセンサー(撮像素子)以外に、カラー情報も記録しようという仕組みが取り入れられているからなのでございます。
実際デジタルカメラにおいては、イメージセンサー(撮像素子)の素子(画素)ひとつひとつの前面に、R(レッド)かG(グリーン)かB(ブルー)の、3色のいずれか一色のフィルターが置かれているのです。
例えばG(緑)のフィルターを前面に置かれた素子(画素)は、緑色の光しか入射しないので、どれくらい緑が強いかがわかります。
このような仕組みで、イメージセンサー(撮像素子)の全素子(全画素)前面にRGBのいずれかの1色のフィルターを置くことで、全体像としてカラー写真として見えるようになるのございます。
液晶モニターや液晶テレビもそうですが、RGBの3色あれば理論的にはほぼ全ての色が記録・再生できるのです。
ところでRGBフィルターは、端の画素からただひたすらRGBRGBRGB……と並べても良いのですが、ベイヤーさんは下の図のようなパターンで並べたのです。
これが「ベイヤー配列」なのでございます。
ん?よくわからないって?(笑)
よく見て下さい。G(緑)だけ、やけに多くないですか?(笑)
実はR(赤)の行/列と、B(青)の行/列に、必ず一画素おきにG(緑)が入れてあるのです。
そうすることで、全体の画素数はR(赤)とB(青)それぞれに対して、G(緑)だけ2倍多いことになります。
実は、ここがベイヤー配列のキモなんです。
その理由は至って簡単です。
人間の眼は赤(R)や青(B)よりも、緑(G)に感じやすいからなんです。
赤(R)と青(B)よりも、緑(G)を2倍に増やす事で、見かけの解像度を上げるというのが、ベイヤーさんの技術者としての知恵だったのでございます。