ベーリンググレアとは、イメージセンサー(撮像素子)やローパスフィルター表面が、乱反射を起こしてできるフレアの一種です。
あまり聞く機会のない言葉ですが、カニ漁で一攫千金を狙うベーリング海とは全く関係無いのでございます。
実はベーリングとは、「画面全体にベールをかけたような」という意味なのです。
つまり「ベーリンググレア」とは、「画面全体にベールをかけたような光芒」という意味なのでございました。
その言葉どおり、ベーリンググレアは周囲の明るい部分の影響を受けて実際よりも明るく写ります。
画像の暗い部分が黒く締まらず、ピントが甘く感じられるように写るのでございます。
一般的なフレアはレンズの銅鏡内部でレンズ同士が乱反射をして起こしますよね。
でもベーリンググレアは、レンズより入射した光がイメージセンサー(撮像素子)やローパスフィルターの表面で反射して引き起こるのでございます。
メージセンサー(撮像素子)やローパスフィルターの表面に反射した光は、今度はレンズの後玉表面で反射して乱反射となります。
これがベーリンググレアの正体なのです。
みなさんも直接イメージセンサー(撮像素子)やローパスフィルターの表面を見ると納得できると思います。
確かに鏡のように反射してますし、レンズの表面よりもはるかに反射しやすい状況だとわかりますよね。
ではベーリンググレアを抑えるのはどうしたら良いのでしょうか?
ベーリンググレアもフレアの一種なので、基本的にはフレアやゴーストの抑え方と同じです。
まずはともかく、純正のレンズフードを正しく着用しましょう。
撮影時点で既にフレアが見られる場合は、レンズ内に直接光が入らないように撮影アングルを変えてみましょう。
あとはコーティングのしっかりしたレンズ(非常に高価ですが……)に期待しましょう。
間違ってもデジタル設計でない昔のレンズで撮影すると、豪快にベーリンググレアが発生しやすいので注意が必要です。
いっそのこと発想を転換して、ベーリンググレアを作風に取り入れてみるのも面白いかも知れませんね。