コーティングとは、何かの表面に何かを付着させることですが……

ここではデジカメ等のレンズの表面に、反射防止層を付着することをさします。

一般的にレンズは、少しでもイメージセンサー(撮像素子)に多くの光を届けようと設計されますが……

いくら濁りのない透明度の高いレンズをつくっても、屈折率の違いからレンズと空気の境界面で4%から5%の光が反射されてしまうのでございます。

たったの4%から5%なら特に問題ないでしょう?と思われがちですが……

レンズを通る光の透過率が低下することで、撮影画像のコントラストは弱まり、発色も冴えないものになるのでございます。

さらに問題になるのが、レンズ表面での光の反射によるフレアゴーストの発生です。

そこでフッ素マグネシウムなどの反射防止層を、レンズ表面に真空蒸着される技術が開発されてました。

つまり「コーティング」技術です。

コーティングによりレンズを通る光の透過率が99%に上がります。

たった3%から4%の改善ですが、これにより反射率は1%以下に抑えられるのでございます。

その結果、反射によるフレアやゴーストを防ぐ事ができて、なおかつ撮影画像のコントラストも発色性も上がります。

近年ではさらに技術開発が進み、何層にもコーティングを行う「マルチコーティング」が一般的になっています。

またレンズだけでなく、フィルターにもコーティングが施されている程にまでなりました。

MCとか印字されていればお値段は張りますが、そのフィルターはマルチコーティングが施されていることになるのでございます。