パープルフリンジとは、画像の「高輝度部」と隣り合った「低輝度部」に、偽色が出ることをいいます。

最初からいきなり専門用語が出て来てしまいましたが……

「高輝度部」とは、明るい部分や白いところです。

それに対して「低輝度部」とは、逆に暗い部分や黒いところです。

つまり、明るい部分と暗い部分の境目に偽色が出る現象なのです。

偽色は主にむらさき色の縁取りで出るので「パープルフリンジ」と呼ばれているのでございます。

パープルフリンジ絞り解放

絞り解放で撮影:左の等倍写真は輝度差の大きい箇所にパープルフリンジが発生。

肝心のパープルフリンジ発生の原因は3つ考えられます。

まず最初にイメージセンサー(撮像素子)に、入射した大量の光が溢れて隣の画素に干渉したときです。

これはCCDで発生するスミアと同じ原因で、ブルーミングと似た症状が出ます。

最近のデジカメはイメージセンサー(撮像素子)がCCDからCMOSへ移行しているので、現象も低減しているのでございます。


パープルフリンジの二つめの原因は、撮影レンズの軸上色収差が十分に補正されていない事です。

ただしレンズの設計次第では、絞りを絞り込む(=F値を大きくする)事でパープルフリンジが軽減することもございます。

パープルフリン絞り込み

絞りF8.0で撮影:左の等倍写真は絞り込む事でパープルフリンジが消えた例。

三つめのパープルフリンジの原因は、カメラボディと異なるメーカーのレンズで撮影したときです。

最近のデジカメは色収差をレンズ上ではなく、カメラ内部の画像処理エンジンで補正するタイプも多く存在します。

このような場合は、ボディと異なるメーカーのレンズの組み合わせでは、色収差が補正されない場合があるのでございます。

特にマイクロフォーサーズ規格の様に、異なるメーカ同士でボディとレンズを共有できることが公表されてる場合でも、上記の様な理由で色収差が補正されない問題が発生します。

このようなケースでは、撮影した画像データをPC上で画像処理ソフトを使って補正する方法がございます。

なかにはレンズごとに固有の補正アルゴリズムが用意されている画像処理ソフトもございます。