被写界深度とは、デジタルカメラ等でピントを合わせた位置の前後で、ピントが合ったように見える範囲のことを言います。
「ピントが合ったように見える範囲」と言いましたのは、写真のピントは現実には1点(面)だけしか合わないからでございます。
その前後はあくまでもピントが合ったように見えているだけで、その範囲(=被写界深度)は画像を引き延ばせば狭くなり、逆に縮小すると広くなるのであります。
このようにピントが合って見える見えないというのは、人それぞれバラバラの主観になってしまうのでございます。
話を進める上でそれではまずいだろうと言う事で、フィルムフォーマットごとに大きさを変えた許容錯乱円を設けて、それを基準にピントが合う合わないを決めています。
簡単に言いますと、錯乱円の大きさがフィルムの粒子やイメージセンサー(撮像素子)のピッチよりも小さいと、ピントが合っているのかどうかわからないから合っていることにしましょうと言う事でございます。
何だか、被写界深度と言うよりピントの話になってしまいましたが、最後に被写界深度の特徴をあげておきましょう。
- レンズの焦点距離に比例して、焦点距離が短いと被写界深度は深くなり、焦点距離が長いと被写界深度は浅くなる。
- 絞り値にも比例して、絞りを絞り込むほど被写界深度は深くなり、絞りを開くほど被写界深度は浅くなる。
- レンズから被写体までの距離にも比例して、距離が遠いほど被写界深度は深くなり、距離は近いほど被写界深度は浅くなる。
なお被写界深度は計算式(難しいのでここでは割愛)でも、レンズの指標(AFレンズではあまり見なくなった)でも知ることができるのでございます。
またプレビュー機能の付いたカメラでは、ファインダー像で被写界深度を確認することもできます。