電子シャッターとは、カメラによって2つの意味を持ちます。

1つめの電子シャッターとは、フィルムカメラの機械式のシャッター幕を電気的に制御するシャッターを言います。

2つめの電子シャッターとは、デジタルカメラのイメージセンサー像面シャッターを言います。

ここでは、後者のイメージセンサー像面シャッターについて解説することにいたしましょう。

ローリング現象

この写真が何なのかは、最後まで読んでくれた人にはわかります(笑)

今では、コンパクトカメラやスマートフォンを中心に普及している電子シャッターは、もともとはビデオカメラのシャッターとして活用されていたものでございます。

仕組みはいたって簡単!イメージセンサー(撮像素子)を電気的にオンオフする事で、シャッター幕の開閉と同じ役目をさせているのであります。

電子シャッターのメリットといたしましては、メカニカルシャッターのような動く部分ががないので、レリーズタイムラグカメラブレがございません。

その上シャッターが無音(絞りの作動音はあり)なのでございます。

え?「自分のスマートフォンからはシャッター音が聞こえるって?」

電子シャッターのコンパクトカメラも同様、あれは実際のシャッター音ではなく、シャッター音の音源をスピーカーから流しているだけなのでございます。

そのため一部の電子シャッター搭載のカメラは、設定で全く無音で撮影する事もでき、コンサート等の音が出せない場面での撮影に非常に向いているのであります。

それよりも、何と言っても1/16000秒のような超高速シャッターが使えます。


ただし、良い事だらけではありません。

イメージセンサー(映像素子)がCCDだと、強い光を受けるとスミアというフレアのような現象を起こします。

イメージセンサー(映像素子)がCMOSだと、ローリングシャッター現象という動体歪みが起きます。

ローリングシャッター現象は簡単に例えますと、コピーやスキャン中に原稿(写真の場合は被写体)を動かすと歪みが生じるのと同じ原理です。

ローリングシャッター現象

これがローリングシャッター現象。走行中の新幹線から、電子シャッター最高速度の1/16000秒で撮影。被写体はブレていないのに、豪快に動体歪みが起きています。面白いのは手前から遠景に向かうにつれて、歪みが少なくなっています。 ちなみに最初の写真は、すれ違う新幹線を撮影したもの。ローリングしすぎて、もう何がなんだかわかりませんね。いやー撮るのに苦労したよ(笑)

それらの欠点を補うために、開時は電子シャッターで、閉時はメカニカルシャッターという組み合わせで、電子シャッター独自の欠点を抑えているハイブリッドな電子先幕シャッターも人気でございます。