日中シンクロ/デーライトシンクロとは、フラッシュ/ストロボが必要ないだろうと思われる程の明るい場所で、フラッシュ/ストロボを用いて撮影することです。

日中シンクロと言いましても、決して日本と中国を同調させるという時事用語ではございませんので、ご注意くださいませ。

日中とは、日本と中国の事ではなく、昼間のことでございます。

そのため最近は、「日中シンクロ」を「デイライトシンクロ」と呼ぶことも多くなりました。


写真が初心者のうちは、昼間の明るい場所でフラッシュ/ストロボを使用することは、全く理解できないのではないでしょうか?

しかし昼間に限らず明るい場所では、実は厄介なある問題が発生してきます。

それはズバリ!「影」です。

ご存知のように、「影」は明るくなればなるほど、強くなってきます。

この影が全く問題にならない撮影もあるのですが、特に人物の顔の撮影となるとものすごく邪魔になってくるのでございます。

日中シンクロ/デーライトシンクロ

顔でなく脚ですが……上の写真は、フラッシュ/ストロボなし。下の写真は、日中シンクロ/デーライトシンクロ撮影。水底まで鮮明に見えていますね。

ポートレート撮影時においてモデルの顔にできた影を消すために、通常レフ板を使います。

しかし、撮影時にアシスタントがいなかった場合、モデル本人にレフ板を持ってもらうか、自分が片手にレフ板、片手にカメラを構えて撮影するようになってしまいます。

現実問題、ものすごくアングルや構図が制限されてしまいますよね。

レフ板を持ってくれるアシスタントがいたとしても、集合写真で大勢の顔にできた影を消すとなるともうレフ板では不可能です。

そこでレフ版の代わりに、フラッシュ/ストロボを光らせて影を消してやば良いのでございます。


さらに良いことには、モデルの瞳にはフラッシュ/ストロボの発光によるキャッチライトが入り、生き生きしたポートレートになります。

さらに、黒くつぶれやすい髪の毛のディテールも出すこともできます。

一石二鳥とはこのことですね。


日中シンクロ/デーライトシンクロは、このように「影をフラッシュ/ストロボの光で打ち消す」と言う目的で使用されるので、人物撮影に限らず様々なケースで活用できるテクニックです。

日中シンクロ/デーライトシンクロは、一見かなり技術を要するテクニックに聞こえますが、実は簡単なのです。

最近のカメラには、内蔵ストロボでもTTLオートストロボが使われていますので、カメラまかせでも意外と正確な日中シンクロ撮影ができるのでございます。