パトローネとは、35mmフィルムを収納するための、円筒形のスチールケースです。

むかしむかし、デジタルカメラが無かった時代の事です。

カメラには、テープ状に巻かれたフィルムという感光材料をセットして撮影しておりました。

フィルムには光に反応する化学薬品が塗布されていたために、 パトローネと呼ばれる遮光された円筒形ケースに巻かれて収められていたのでございます。


パトローネとは美味しいパンの名前のようですが、写真撮影用のフィルムを収めた遮光された円筒ケースの名前(ドイツ語)だったのでございます。

正確にはフィルムパトローネと言います。

パトローネの役割は、遮光されたフィルム容器というだけでなく、容器に入ったままの状態でフィルムをカメラに簡単装着できるという画期的な面もございました。

撮影されたフィルムは、再びパトローネに巻き戻されて遮光状態のまま現像に出されます。

現像ラボでフィルムを取り出された大量のパトローネは、破棄されます。

一部の写真愛好者は、廃棄されたパトローネに、100フィート長尺フィルムから切り出したフィルムを巻き付けて再利用しておりました。


一般的な135(35mm)ロールフィルムは、100年以上前にドイツのLeica(ライカ)が普及させました。

映画撮影用の35mmフィルムを短く切り出して、スプール(巻き取り軸)に巻き付けて使い始めたのでございます。

その30年後に、ドイツコダックがフィルムカセットとして「パトローネ入り35mmネガフィルム」を発売しました。

これが、パトローネの始まりと言われています。

当時はあれだけ家の中にゴロゴロしてたのに、今になっては「一つくらい捨てずに取っておけば良かった……」と思わせる逸品でございました。