F値(絞り値)とは、デジカメの絞りの穴の大きさを数値で表したものです。

英語ではAperture(アパーチャー)と言います。

撮影モードダイヤル「絞り優先モード」のAモード(Avモード)はここから来ているのでございます。

さて肝心の絞り機構は、レンズを通る光の量を調整する目的で、通常レンズの中程に組み込まれております。

レンズを正面から見た時に、人間の瞳孔のような円形の羽が閉じたり開いたりするのが見えますが、アレが絞りです。

人間の瞳孔は毛様筋という筋肉で穴の大きさを調整していますが、デジカメはカメラボディのダイヤル操作で調整します。

一部の高級レンズやフィルムカメラでは、レンズ鏡筒についている絞りリングを回して穴の大きさを調整するのが一般的です。

絞りの穴が大きいほどF値は小さくなり、光を多く通すので明るいレンズと呼ばれます。

逆に絞りの穴が小さいほどF値は大きくなり、通る光の量も減ります。

一般的なカメラには全て絞りが付いていますが、何のために絞り値を変える必要があるのでしょうか?

目的は意外とたくさんあるのですが、主な順番で書くと……

  • シャッター速度と組み合わせて、露出をコントロールする。
  • 被写界深度をコントロールする。(開けてボケをつくったり、絞ってパンフォーカスをつくったり)
  • 絞り込むことで、球面収差などの補正をしてレンズ性能を上げる。
  • 絞り込むことで、光芒を発生させる。

等が考えられますが、これらを絞りテクニックと申すのでございます。

ここまで生温い解説だと感じた方のために、少しだけオマケです………

まず「F値(絞り値)=レンズの焦点距離/有効口径」で導き出せるのでございます。

それから、 1.4・2・2.8・4・5.6・8・11・16・22……というような、暗号のようなF値の数字の秘密ですが……

これは1を基準にして、順次ルート2倍してるのでございます。

それぞれを「1段」と武道の様に表現して、1段絞るごとに通る光の量は半分(1/2)になり、1段開けるごとに通る光の量は2倍になります。

ところで実際の絞り値の調整は1段ずつではなく、1/3段か1/2段ごとに設定できる様になっています。

またカメラによっては、シャッター速度優先モードで撮影するとF値は無段階で設定される場合もございます。