ピントリングとは、ピント合わせのために回すリングで、一般的にレンズの銅鏡に付いています。

ごくたまにピントリング(この場合はダイアル)がボディに付いているデジカメもございます。

ピントリングを回転させると、レンズ内部の光学系が前後に動きピント位置が変わる仕組みです。

ところでピントリングはもろ和製英語で、正式にはfocus ringですね。

今では当たり前のAF(オートフォーカス)が普及していなかった頃は、全て人間がピントリングを回してピント合わせをしていました。

また今でもオートフォーカスカメラ(特に一眼レフカメラの交換レンズ)には、MF(マニュアルフォーカス)操作のためにピントリングが付いています。

本来のピントリングはピントの微調整ができるように、グリスを介して適度なトルクで回転します。

つまりいかにもマニュアルでピントを合わせをしている間隔を味わえる、ネットリとした良いフィーリングなワケです。

しかし一部の高級レンズを除いた最近オートフォーカスレンズは、いかにも非常操作のためにだけピントリングが付けられている場合が多く、スカスカの残念な操作感覚なのです。

それどころか、マニュアルフォーカスレンズでは必ず表示されていた「距離指標」も省略されたレンズが増えて来ました。

特にミラーレス一眼の交換レンズは、コストを省くためにピント合わせの光学系を手動で動かすカムやヘリコイドを省略したものが主流です。

つまりピントリングそのものが、電気的なボリュームスイッチとなっているのです。

そのために、ピントリングの回転位置と光学系の駆動が一致しないので「距離指標」が表示できないのでございます。

「距離指標」がないと、スナップ撮影でおなじみのノーファインダーの目測撮影等ができませんね。

ただしオリンパス等は例外で、ミラーレス一眼の一部の交換レンズに距離指標をつけています。

ミラーレス一眼の交換レンズでも、ケチらずにやれば出来るのでございます。

また「距離指標」と同じく、「被写界深度目盛」もピントリングから消えてしまったのが残念でなりませね。

テクノロジーの進化で便利な部分が増える分、今まで当たり前であったモノが消えてしまうのは、本末転倒なのでございました