画像処理エンジンとは、デジタルカメラ内部にある画像処理をするための電子回路です。
エンジンと言いましても、車やバイクにあるような発動機ではなく、あくまでも電子回路なのでございます。
この画像処理エンジンには、各社それぞれ非常にかっこいい名称が付けられています。
それもそのはず、画像処理エンジンは、デジタルカメラの画質を決定づける三種の神器の一つとされています。
ちなみに残る二つは「レンズ」と「イメージセンサー(撮像素子)」なのでございます。
レンズはカメラに取り込む画像の画質を決定し、イメージセンサー(撮像素子)はフィルム、画像処理エンジンは現像に相当します。
さて実際の撮影プロセスですが、レンズを通った光は、イメージセンサー(撮像素子)内の受光素子により電気信号に換えられます。
ところが意外なことに、デジタルカメラと言いつつもこの電気信号はアナログなのです。
そこで、A/Dコンバーターと言う回路で、アナログ信号をデジタル信号に変換します。
RAWデータでの記録を選んだ場合は、ここまでのデータが、SDカード等の記録メディアに記録されます。
つまり現像はされていない未現像の状態なわけでございます。
JPEG等の画像データでの記録を選んだ場合は、ここからいよいよ画像処理エンジンを通して、デジタル現像処理が行われます。
一般的的な処理項目は……
RGB画像を生成したのち
明るさの調整
ホワイトバランスの調整
シャープネスの調整
コントラストも調整
ノイズの処理などでございます。
カメラによっては、さらに回折現象や口径食(ビネット)やパープルフリンジなどレンズの欠点の補正もこなします。
また、アートフィルターなどの付加機能の処理や、動画の処理も行います。
いずれにしても全ての現像処理を終えた後、データを圧縮してSDカード等の記録メディアに記録されます。
ここまでが、画像処理エンジンの役目なのでございます。
このように画像処理エンジンは、画質の善し悪しを左右する大切な部分なので、各社独自のアルゴリズムでしのぎを削っています。
にも関わらず、自分のカメラのアルゴリズムが気にいらなければ諦めるしかないのでしょうか?
いいえ、決して諦める必要はございません。
そのような場合のために、RAWデータで記録ができるようになっているのです。
つまり撮影データをRAWで記録し、パソコン上で現像ソフトを利用して、自分の好きなように現像(画像処理)をすれば良いわけです。
こうすれば、カメラの画像処理エンジンを使うことなく、自分の好きなような画質がつくり出せるのでございます。