インナーフォーカス(IF)とは、デジカメなどのレンズのピント合わせの機構の一つで、IFと記されることもあります。
インナーフォーカスって、まるで映画マトリックスの中に出て来そうな言葉でめちゃくちゃかっこいいですね。
マインドフォーカスの様に、自分の内なる声に気づきなさいという教えのようです。
いきなり関係無い話になってしまいましたが、インナーフォーカス(IF)の仕組みは、「レンズの筒(鏡胴)の中の一部のレンズグループ(レンズ群)だけを移動させる」というものです。
最近は特に望遠レンズを中心にこの方式が増えて来ましたが、他の方式として「前玉回転方式」や「全軍移動」じゃなくて「全群移動方式」というのがございます。
肝心のインナーフォーカス(IF)が優れている点としましては、以下の3点があげられます。
- ピント合わせでレンズの長さが変わらない。
- 一番前のレンズ(前玉)が回転しない。
- AF(オートフォーカス)のピント合わせが早くなる。
えーと順に見てきますと、最初の「ピント合わせでレンズの長さが変わらない」というのは重要で、焦点距離の長いレンズ(つまり望遠レンズ)はただでさえ長いレンズですので、ピント合わせの度に伸び縮みしてもらっては困るのでございます。
特に三脚に望遠レンズを取り付けての撮影では、AFでいきなりレンズが伸びるとバランスを崩して前のめりに倒れかねません。
さらに手持ちでの撮影でもバランスが悪く、手ブレを起こしやすくなるのです。
二番目の「一番前のレンズ(前玉)が回転しない」というのは、偏光フィルター(PLフィルター)を使うときに重宝いたします。
ご存じのように偏光フィルター(PLフィルター)は、回転位置によりフィルター効果が変わります。
なのでピント合わせのた度に、前玉と一緒に回転してもらっては困るわけです。
三番目の「AF(オートフォーカス)のピント合わせが早くなる」というのは、インナーフォーカス(IF)はレンズを繰り出す力と量が少なくて済むという事から来る恩恵でございます。
同時にバッテリーの節約にもなる、エコにも貢献するフォーカス機構なのでございました。