クイックリターンミラーとは、シャッターが開いている瞬間だけミラーを上に跳ね上げて、シャッターが閉じると同時にミラーも元に戻る機能です。

いったい何のためのミラーとその機能なのでしょうか?

一眼レフカメラは、撮影レンズを通過した画像をミラーとプリズムを使ってファインダーに届ける仕組みになっています。

ところがミラーだけはイメージセンサー(撮像素子)の真ん前に位置して、撮影レンズを通過した画像を上方のプリズムに反射させているのでございます。

イメージセンサー(撮像素子)からしてみたら、目の前に壁のように立ち塞がるとんでもない邪魔者なわけです。

そんなわけで、せめてシャッターが開いている間だけでも避けてやらないと、レンズを通ってきた画像がイメージセンサー(撮像素子)に届かないわけです。

ただし避けっぱなしで戻って来ないと、今度はファインダーに画像が届かずに覗いても真っ暗なままになってしまいます。

これを現象をブラックアウトと呼び、一眼レフカメラの欠点の一つとなっているのでございます。

そこで極めて素早くミラーを上に跳ね上げて戻す必要があるので「クイックリターンミラー」と名付けられたわけでございますが……

実はこれは完全な和製英語でございまして、英語では「instant return mirror(インスタントリターンミラー)」と呼ばれております。

和製英語の方がそれっぽいネーミングでございますね(笑)

ところで昔の一眼レフカメラは信じられない事に手動操作でミラーを上げ下げしていたそうです。

さすがに私もそこまで古いカメラは見たことがありませんが、当時の人は完成されたクイックリターンミラーをみてさぞかし驚いた事でございましょう。

と言うわけでクイックリターンミラーは、特殊なカメラを覗いては現在の一眼レフカメラ(中型一眼レフカメラも含む)には必ず付いている機能なのでございました。