Live MOS(ライブモス)とは、Panasonicが開発したCCDとCMOSの両方の利点を持つイメージセンサー(撮像素子)です。
現在は、マイクロフォーサーズ(フォーザーズ)規格のデジタル一眼カメラに搭載されています。
近年のイメージセンサー(撮像素子)は、ほぼ全てがCCDからCMOSへ移行し終わった感がございます。
だからといって、CCDよりCMOSの方が優れていると言う訳でもなく、それぞれに長所と短所があります。
しかし、このCCDとCMOSの両方の長所を持つイメージセンサー(撮像素子)として注目されているのが、Live MOSなのでございます。
イメージセンサー(撮像素子)の高感度性能を上げるには、ご存じのように各ピクセル(画素)の受光エリアを大きくすることが一番有効です。
しかし現在主流のCMOSは、各ピクセル(画素)の電荷を転送するための配線が多く、これが各ピクセル(画素)の受光領域の周辺に割り込む形で張り巡らされています。
そのためにCMOSの受光エリアは、配線領域がネックになり、同じ画素(ピクセル)サイズのCCDと比べて狭くなっているのです。
そこで考えられたのが、信号の読み出し制御のために必要だった3本の配線を、2本の配線に減らすという方法です。
そこでLive MOSは、2本の配線で信号の読み出し制御ができる新駆動回路技術を導入したのです。
つまり3本から2本に減らした配線の分だけ受光エリアが広がり、高感度性能が向上したというわけでございます。
これがCMOS特有の欠点の克服でございます。
次にCCDの欠点として、消費電力が大きいことが上げられます。
これは簡単に説明しますと、イメージセンサー(撮像素子)の全てのピクセル(画素)を、同時に読み出しさせているのが原因です。
そのためにCMOSでは、1ピクセル(画素)ずつ順番に画素の読み出しを行うことで、電力をセーブしています。
その見返りとして、1ピクセル(画素)ごとに配線が必要で、それが受光エリアを狭める原因となっているのです。
Live MOSでは、CMOSと同じ画素の読み出し方法を採用して消費電力を抑えています。
つまりLive MOSは、CMOSと同じ画素の読み出し方法を採用して消費電力を抑えつつ、各画素(ピクセル)の受光エリアを狭める配線を減らすという離れ業をやってくれたのです。
そのためLive MOSは、CCDとCMOSの欠点を見事に克服したお利口さんなイメージセンサー(撮像素子)なのです。
さらにイメージセンサー(撮像素子)に、消費電力や発熱を抑えたLive MOSを採用することで、デジタル一眼カメラで初めて液晶モニター画面でのライブビュー機能を可能にしたのでございます。
最後になりましたが、現在マイクロフォーサーズ(フォーザーズ)規格に賛同しているPanasonicとOlympusがLive MOSの開発と採用を行っています。