中望遠レンズとは、標準レンズよりも少しだけ焦点距離が長いレンズをいいます。
焦点距離が長すぎると望遠レンズになってしまうので、あくまでも少しだけです。
35mm換算値で言いますと、中望遠レンズは焦点距離85mmから135mm程度になります。
これよりも焦点距離が長いと、「望遠レンズ」と呼ばれるのでございます。
さて中望遠レンズは、別名「ポートレートレンズ」と呼ばれることもあります。
それほどまでに人物撮影に好んで使われる理由は、主に4つございます。
- モデルと遠すぎず近すぎず、程良い撮影距離(カメラディスタンス)が保てる。
- モデルの顔が歪まない自然な遠近感である。
- 望遠レンズの特徴である圧縮効果が強く出過ぎず、程良い立体感である。
- 標準レンズ並の明るい絞りの開放値。
特に一番最後の明るい絞りの開放値は、ポートレートレンズ最大の特徴でもございます。
おかげで被写界深度の浅い特徴を生かした写真を撮ることができるのです。
すなわちバックをぼかして被写体を浮かび上がらせる、ポートレート独特の作風を生み出せるのでございます。
なお最近は中望遠レンズの焦点距離が、標準ズームレンズの望遠側に含まれる事が多くなっているのでありました。