ミラーアップとは、一眼レフカメラクイックリターンミラーを上方位置に固定することです。

クイックリターンミラーは一眼レフカメラ独自のモノなので、一眼レフカメラにしか出来ない芸当なのですが……

全ての一眼レフカメラでできる事ではなく、一部の上位モデルのミラーアップ装置を備えたカメラでのみできます。

ではなんのためにクイックリターンミラーを、上方位置に固定する必要があるのでしょうか?

実はブレた写真を避けるためなのです。

ブレには「手ブレ」「被写体ブレ」「カメラブレ」の3種ございます。

ミラーアップは、その中のカメラ内部の振動によって起きる「カメラブレ」を防ぐための装置なのです。

近年電通大らがカメラブレを測定する装置を開発しました。

その測定結果に、メーカーの開発者が驚いたと言います。

結果内容は「1/60秒のシャッター速度で撮影した場合、カメラ自身が起こすカメラブレにより実質解像度が1/4以下になっている」というものでした。

つまり2000万画素の一眼レフカメラで撮影しても、最高でも500万画素の解像度の写真しか撮れないことになるのでございます。

ただ単にカメラを三脚に固定して撮影しても、カメラ自身の振動を抑制しないと高画素カメラの意味が無いということなのです。

そのために最近の一眼レフカメラの高画素化に伴い、ミラーアップが再び注目を集めているのでございます。

では実際にミラーアップ装置を使っての撮影手順をご説明しましょう。

まず一眼レフカメラをしっかりとした三脚に固定します。

次にフレーミングを行い、ピントを合わせます。

そしてミラーアップです。

完全にミラーアップの振動が収まるのを一呼吸待ってから、ケーブルレリーズセルフタイマーでシャッターを切りましょう。

肝心のミラーアップは、シャッターを切る直前に行うのがコツなのでございました。