ノートリミングとは、写真をプリントする時や公表する時に、トリミングをしないでストレートに表現する手法です。
略して「ノートリ」と言う事も良くあります。
当たり前の事ですが、ここで言うトリミングとは犬の散髪のことではございません(笑)
写真などの画面の1部だけを切り出す加工を「トリミング」といいます。
言い換えれば、画面の一部を切り捨てるということでもあります。
撮影時の画面構成においては、正確なフレーミングをして、ノートリミングで表現するのが理想的なのですが……
ビューファインダーやレンジファインダー付きカメラで撮影した場合など、どうしてもファインダーで見えた画面よりも広い範囲が写ってしまいます。
どこまで写るかの境界が正確ではないので、被写体の一部が切れることを恐れて、広めに撮影してしまう傾向もあるのです。
その結果、意識していない余分なものが画面に入ってしまいます。
また、フレーミングに一番正確であるはずの一眼レフカメラにおいても、ファインダー視野率が100%でない機種は、ファインダーで見えた範囲も広い範囲が画面に写ってしまうのでございます。
このような撮影においては、撮影後にやむを得ずトリミングをしなければならないことが多いのが現状ですが……
トリミング否定派の写真家も多く存在し、自分の作品がノートリミングであることを主張するために、プリントの周辺にフィルムのコマのフレームを焼き込んむ手法を用います。
よくプリントの画像と白フチの境に沿って、ふにゃふにゃとした黒い縁がついてるのは、「俺はトリミングしてないぞ!」というサインだったのでございます。
またデジタルカメラのイメージセンサー(撮像素子)のアスペクト比は、通常、規格プリントサイズのタテヨコ比率と異るのですが……
この場合、ノートリミングでプリントした場合、プリント周辺部に余白が発生します。
この余白を取り除いてプリントする場合は、余白が消えるまで写真画像を拡大しなければなりません。
その際、画面の上下左右いずれかをトリミングする必要が生じてくるのでございます。
この場合、ノートリミングでプリントして生じた余白部分を切り取ることは、トリミングになるのでしょうか?
プリントを切り取った時点で規格プリントサイズでは無くなるだけで、画像を切り取っていないのでトリミングにはならずに、ノートリミングでプリントしたことになります。
なんだか、ややこしいですね(笑)