ピンホールカメラとは、レンズの代わりにピンホール(針穴)がつくった画像を撮影するカメラです。
カメラはレンズがないと撮影できないと思い込んでいた方は、さぞかし驚かれたのではないでしょうか?
実は17世紀には部屋の外壁に穴を開けて、ピンホール現象で部屋の壁に映し出された外の風景をなぞって絵の練習をしていたそうでございます。
その後このピンホール現象を持ち運んで撮影できるようにしたのが、カメラ・オブスクラ(ラテン語で「暗い部屋」)と言われる原始的な暗箱です。
つまり初期の原始的な写真機にはレンズはなく、ピンホール(針穴)で撮影していたのです。
このように小さな穴(ピンホール)でも、フィルムにちゃんと像を結んでくれるのです。
画像はレンズでつくられた画像ほどシャープではございませんが……
近くから遠くまでピントが合ったように見えるパンフォーカス画像となるので、ピント合わせの必要もございません。
しかし針穴は0.2~0.5ミリ程度と小さく光が十分ではないために、やたら露光時間が長くかかります。
そこでもっと効率よく光を集めて露光時間を短くするためにレンズが開発され、ピンホールに置き換えられて原題に至っているのでございます。
誰でもシャッターを押せば高画質な写真が撮れる現在、写真の画質が良くても当たり前過ぎて感動しなくなりました。
その反動として現在は、トイカメラやポラロイドブームと共にピンホールカメラも脚光を浴びてきているのでございます。
つまり画質が悪いほど感動するという、面白い反転現象が起きているのでございます。
現在は雑誌の付録から本格的な専用カメラまで、様々なピンホールカメラが発売されています。
中には一眼レフカメラのボディキャップを改造して自作ピンホールカメラをつくる人も少なくありません。
また日本針穴写真協会というピンホール写真専門の協会もございます。
皆様も是非一度は、ピンホール写真に挑戦されてみてはいかがでしょうか?