画素サイズとは、写真画像を記録するイメージセンサー(撮像素子)の画素(ピクセル)ひとつひとつの大きさです。
「画素ピッチ」と間違えて使われる事も多い用語なので、注意しましょう。
「画素ピッチ」とは、画素(ピクセル)の中心線から、隣り合う画素(ピクセル)の中心線までミリミクロン単位の間隔なのでございます。
「画素ピッチ」は間隔なので、計算式で求めることができます。
それに対して「画素サイズ」は計算では求めることができず、一般的にはメーカーからも公開されていないという代物なのです。
さて、画素サイズは近年のデジタルカメラの高画素化ブームにより、年々小さくなりつつあります。
デメリットとして、画素(ピクセル)が小さくなると、当然面積も小さくなってしまいます。
つまり受光面積が小さくなることで、取り込むことのできる光の量が少なくなるのです。
ということは、暗い被写体の撮影が難しくなり、高感度特性が悪くなるのでございます。
少ない光を電気的に増幅して感度を稼ぐので、画像にノイズが増えてしまいます。
おまけに高感度に弱いと言う事は、連写性能も悪くなるという事なのです。
さてさて、画素サイズが小さくなることによって生じるデメリットは、高感度特性だけではありません。
画素(ピクセル)が取り込むことのできる光の量が少なくなると、ダイナミックレンジも狭くなってしまうのでございます。
ダイナミックレンジとは、フィルムでいうところのラチチュードです。
つまり明るい所から暗いところまで、どれだけ階調豊かに写せるかという指標なのでございます。
実際はダイナミックレンジ狭くなるほど、白い所は白飛びしやすくなり、暗いところは黒つぶれしやすくなるのです。
同じサイズのイメージセンサー(撮像素子)を高画素化することで画像の解像度アップにつながり、引き延ばしに耐えれるキメの細かい写真が撮れるようになります。
その反面、画素サイズが小さくなることで、高感度特性やダイナミックレンジや連写性能が損なわれ、写真本来の色や階調性は悪くなるというデメリットが生じます。
凄く簡単に言いますと、解像度を取るか、階調を取るかの選択となるのでございます。
ところで、大手カメラメーカのプロ御用達フラッグシップモデルの画素数が、コンパクトカメラよりも少なくて驚かれた方も多いのではないでしょうか?
その理由は、単に画素サイズを小さくしたく無かったからに過ぎません。
つまり高画素化によるメリットよりも、高感度特性やダイナミックレンジのメリットを選択する人のためにつくられたカメラなのでございます。
最後になりましたが、高画素化による画素サイズの縮小による欠点をカバーするために、画像処理エンジンの階調補正機能やノイズリダクション機能も年々向上していることも付け加えておかねばならないのでございます。
ただしこれらの補正機能は、RAWデータには反映されませんので、ご注意くださいませ。