実像式ファインダーとは、実像を見る事が出来るファインダーです。

代表的なファインダーは、実像式ファインダーの代名詞ともいえる「ビューファンダー」や「レンジファインダー」があげられます。

では肝心の「実像」とは何でございましょうか?

実は「実像」と、もうひとつの「虚像」は、既に皆さんも中学校の理科で習っているのでございます。

当時その意味が難しくやたら理解に苦しんだ記憶がございます。

  • 「実像」とは、レンズから屈折した光が実際に交わってつくる像。
  • 「虚像」とは、実際に物体があるように結ばれる像。つまりそこに物体があるように見せかけている像。

日常生活に例えますと、スクリーンに投射された映画は「実像」で、ルーペや鏡に映った像は「虚像」と言う事になります。

スクリーン上は実際に像があるので、映画館の観客はどの席からもみんな同じ画面を観ることが出来ます。

さらに映写機のレンズの向こう側にはスクリーンに像を結んだ映画フィルムが存在します。

ところが鏡の場合は実際に像がないので、人それぞれ見る位置によって見えるモノは違います。

二人並んで同じ鏡を見ても、同じものを見るどころかお互いにそこに映った相手の顔を見ているはずです。

おまけに鏡の向こう側には、鏡に映っていた相手の顔はありません。

つまりこれが「虚像」と呼ばれる、見えるけど実際には無い像なのでございます。

前置きが長くなりましたが、ファインダーの話に戻りましょう。

ファインダーは「光学式ファインダー(OVF)」と「電子ビューファインダー(EVF)の2種類があります。

さらに「光学式ファインダー(OVF)」は、「実像式ファインダー」と「レフレックスファインダー」に分かれるのでございます。

「レフレックスファインダー」は、撮影用レンズの像をクイックリターンミラーペンタプリズムで何度か反射さながらファインダーに導く仕組みです。

撮影用レンズの像は天地左右逆像なので、ミラーやプリズムで何度か反転させて元に戻す(天地左右正像)必要があるのです。

つまり「レフレックスファインダー」はこのように、ミラーやプリズムで発生した虚像をファインダーで見ていることになるので「実像式ファインダー」ではございません。

虚像ファインダーとも言いませんが……(笑)

それに対して「実像式ファインダー」は、撮影用のレンズとは別に、撮影者が被写体を見るためのファインダー専用レンズを備えているのが特徴なのでございます。

そしてそこから見える像は、まさしく「実像」なのでありますが、カメラによっては実像と虚像を組み合わせて見えるモデルも多く存在します。

なので最近では「実像式ファインダー」と言い切らずに、「実像タイプ」とうたっているケースも見られます。

なお「実像式ファインダー」のメリット・デメリットは、そのまま「ビューファンダー」や「レンジファインダー」と共通ですので、そちらも併せてご覧下さいませ。