赤目現象とは、フラッシュ/ストロボを発光させて撮影を行ったときに、人物やペットの黒目部分がウサギのように赤く写る現象をいいます。
通常、焦点距離70mm(35mm換算値)以下のレンズで、3メートル以上離れた撮影で起きることが多いとされています。
さらに広角レンズでも、赤目現象は発生する場合がございます。
いったいウサギの目になる原因は何なんでしょうか?
一言で言いますと、赤目現象は目の網膜が写った状態なのです。
網膜は毛細血管が多く赤いので、それがでウサギの目のように赤く写るワケです。
でも、通常は目は黒く写りますよね。
主にフラッシュ/ストロボを発光させた時だけ、赤く写るはどうしてなのでしょうか?
フラッシュ/ストロボを発光させると言う事は、そのままでは写真が写らないほど、周囲が暗いということですよね。
生き物は周囲が暗くなるほど、瞳の瞳孔が開いてきます。
つまり瞳の瞳孔が開いた分、それだけフラッシュ/ストロボの閃光が、瞳の奥の網膜に届きやすくなるのでございます。
赤目現象の起きる、原因はそれだけではありません。
フラッシュ/ストロボと、レンズの位置関係にも原因があります。
レンズの光軸(レンズの中心線)と、フラッシュが近い場合、瞳の奥の網膜からの反射光がまっすぐ戻ってくるためです。
その反射光は、レンズを通過して赤目現象として写り込んでしまいます。
フラッシュ/ストロボがレンズの光軸(レンズの中心線)と近い状態とは、カメラの内蔵フラッシュ/ストロボを使用したとき。
または、カメラのアクセサリーシューに直接取り付けたクリップオンストロボから、直接発光した場合などがそれにあたります。
難しい事ばかり書いてきましたが、最近の大半のデジタルカメラには「赤目軽減機能」と言う便利な機能が搭載されています。
シャッターを押すと、パチパチと何度かフラッシュ/ストロボがプリ発光して撮影するアレですね。
便利な反面、上手く使わないと、シャッターチャンスを逃してしまいますが……
プリ発光させることによって、瞳の瞳孔が眩しくて閉じてしまいます。
そのために、フラッシュ/ストロボの光が網膜まで届きにくくなるのでございます。
という事は、「赤目軽減機能」が付いていないカメラでも、赤目現象を抑える事ができますよね。
つまり、被写体の人物の網膜を閉じればいいわけですから、いくらでも方法があります。
- プレ発光なんかしなくても、1発目はテストとして通常発光して、2枚目から本番として撮る。
- 被写体になる人に、一瞬眩しいモノを見てもらう。(ペットは無理かもw)
などなどです……
さらに撮影者ができる赤目防止策としては……
- 網膜に直接閃光が届かないように、天井や壁に向けてフラッシュ/ストロボを発光させる。
- 要はバウンス撮影ですね。
- カメラとフラッシュ/ストロボの位置を引き離す。
などなどです……
なお、それでも赤目現象が起きてしまった場合、それでも心配はご無用です。
最近はポストプロセスとして、自動的に赤目現象を補正してくれる、画像処理ソフトが一般的だからなのでございます。