ソルトンシャッターとは、レンズの前に装着して使う完全外付けシャッター機器です。
こうして書きながらも「ソルトンシャッター」なんて検索されて読まれることがあるのだろうか?と不安になるほどマイナーなシャッターでございます。
書いている本人でさえも、噂に聞く程度で実物を見たことが無いほどのレアものでございます。
それもそのはず日本では、主に明治時代にアンソニーカメラというスタジオ用の木製大型カメラで使われていたと言われております。
現在発売中のカメラは、ボディかレンズのいずれかにシャッターが組み込まれているのが必須でございます。
しかし1800年代のカメラは、大型の木製暗箱にレンズと乾板(フィルムに相当)を装着したもので、それを大きな木製の三脚に取り付けて撮影していたのです。
その頃は感光材料も性能が悪く、露光時間はなんと20分かかっていたそうです。
当然シャッター機器なんか必要なく、撮影者がレンズの蓋を開けたり閉めたりすることで完全人間シャッターとして撮っていました。
ところが感光材料の性能が良くなるにつれて、短時間で露光が済むようになってきました。
そのためにレンズの蓋を開け閉めする時間が人間の手作業では追いつかなくなり、機械式シャッターが必要になってきたのです。
そこでソルトンシャッター(多分ソルトンさんという方が発明したのでしょうね)の登場です。
レンズの全面にレンズフィルターのごとくソルトンシャッターを取り付ければ、大型木製暗箱が立派なフォーカルプレンシャッター付きのカメラに大変身!
つまり今まで使っていた大型木製暗箱のカメラとレンズはそのまま使えるのです。
まるでテレビショッピングで売ってそうな便利グッズですね(笑)
今でも時々ヤフオクで見かけますので、気になる方はコレクションとしてどうぞ。
さて肝心のソルトンシャッターはフォーカルプレンシャッターをそのまま大きくした感じで、機械仕掛けで布製のシャッター幕を動かします。
ところで明治時代に普及したアンソニーカメラですが、当時の面影を残しながら「アンソニーデジタル」という名でデジタルカメラ化され、現在販売されているので驚きです。