スローシンクロとは、低速シャッター速度を使って、フラッシュ/ストロボ撮影をすることです。
つまり「スロー」とは低速シャッター速度のことを指し、「シンクロ」とはフラッシュ/ストロボを使ったシンクロ撮影のことを指します。
「スロー」+「シンクロ」で「スローシンクロ」と言う訳でございます。
さて、スローシンクロ撮影が必要なのは、どういう時でしょうか?
はやり、1番多いのが夜景をバックに、人物撮影をする時ではないでしょうか。
それが証拠に、ピクチャーモードの「夜景モード」が、スローシンクロ撮影にプログラムされてされているカメラも多くあります。
次に多いのが、暗めの室内での人物撮影ではないでしょうか。
これらのシチュエーションに共通しているのが、バックが暗いと言うことです。
特に夜景や広い室内では、いくらフラッシュ/ストロボを発光しても十分な光量が奥まで届きません。
仮にそれが可能な超大光量のフラッシュ/ストロボがあったとしても、今度は手前の人物等の被写体が完全に露出オーバーになってしまいます(笑)
そこで、バックはスローなシャッター速度で長時間露光して、手前の人物等の被写体はフラッシュ/ストロボの光で露光しようという考え方がスローシンクロなのです。
つまり、露出値が大きく違う手前とバックの被写体を、低速シャッターとシンクロ撮影を組み合わせることで、1度のシャッターで撮ってしまおうと言うお利口さんなテクニックなのでございます。

上の写真は、バックに露出を合わせてスローシャッターで撮影。フラッシュ/ストロボは未使用です。下の写真は、人物に露出が合うように計算して、サイドからフラッシュ/ストロボを発光!スローシンクロの完成です。
さて、肝心のスローシンクロテクニックですが、ポイントとなるのは次の2点です。
- シャッター速度は、背景の露出値によって決めます。
- 絞り値(F値)は、フラッシュ/ストロボ光量(GN:ガイドナンバー)と、フラッシュ/ストロボから手前の被写体までの距離によって決めます。
「うーーー」なんだか難しそうですね。でも、ご安心下さい!
最近のデジタルカメラには、スローシンクロ機能を搭載して、自動でスローシンクロ撮影してくれるのが一般的です。
ただし、いくら自動でスローシンクロ撮影してくれても、手ブレまでは防げません。
手ブレに関しては、今までどおりの対策をしなくてはなりません。
低速シャッターが原則ですから、手ぶれ補正機能をONにするのはもちろん……
長時間露光になる場合は、面倒くさがらずに三脚を使用しませう。