標準出力感度(SOS)とは、CIPA(カメラ映像機器工業会)が定めたデジタルカメラ専用の感度規格です。

SOSは救難シグナルではなく、Standard Output Sensitivityの略でございます。


一般に普及しているISO感度というのは、フィルムのためにつくられた感度規格です。

名前のとおりISO(国際標準化機構)の規格に沿った感度なのです。

ところがデジタルカメラの普及にともない、デジタルカメラのための感度規格が必要となりました。

そこで誕生したのが、ISO感度と互換性を持たせた「標準出力感度(SOS)」という新しい感度規格です。

といっても、実際はフィルムのISO感度と同じ光感度特性なのですが……

標準出力感度(SOS)が誕生する前には、デジカメのカタログには「ISO100相当」なんて表記されていましたね。


ここで重要なのは、標準出力感度(SOS)はイメージセンサー(撮像素子)の感度特性ではないと言う事です。

デジタルカメラの信号処理を含む光感度特性なので、画像処理エンジンの性能次第でいかにでもなるでのございます。

よって標準出力感度(SOS)は、イメージセンサー(撮像素子)ごとに設ける規格ではなく、カメラごとに設けられる規格なのです。


ところで同じくCIPA(カメラ映像機器工業会)が定めたデジタルカメラ専用の感度に「推奨露光指数(REI)」という規格がございます。

標準出力感度(SOS)と兄弟のように扱われていますが、何が違うのでしょうか?

標準出力感度(SOS)は言葉のとおり、メーカや機種による測定基準の差が出ないように導き出されています。

標準露出値は、標準反射版(反射率18%のグレー)を撮影して8bit(0~255段階中)で118の値にしなさいと定められているのです。

ところが、「推奨露光指数(REI)」は、カメラメーカーが独自に標準露出の値を決めてもOKなのです。

つまりメーカー独自の考え方を反映させてもOKなのでございます。


ちなみにそれぞれのメーカーが、どちらの規格を採用しているかは次のとおりでございます。

  • 標準出力感度(SOS)を採用しているメーカは、FUJIFILM・Panasonic・OLYMPUS・PENTAXです。
  • 推奨露光指数(REI)を採用しているメーカは、NIKON・Canon・SONYです。

それぞれメーカーの仕様書に、どちらの規格で導き出されたISO感度かが明記されているのでございました。