シンクロ速度/同調速度とは、フラッシュ/ストロボフォーカルプレンシャッターが同調する最高シャッター速度のことです。

シンクロ撮影というのは、カメラのシャッターとフラッシュ/ストロボを同調させて行う撮影のことでございます。

言うまでもなく当たり前の事ですが、シャッターを押すと同時にフラッシュ/ストロボを発光させる、ごく普通の撮影方法です。

問題はこの先で、実は「どんなシャッター」でも「どんなシャッター速度」でも、全てがフラッシュ/ストロボに同調するわけではないのです。


シャッターは大きく分けて、「レンズシャッター」と「フォーカルプレンシャッター」に分かれます。


まず最初に「レンズシャッター」とは、主にコンパクトカメラやネオ一眼のようなレンズ交換ができないタイプのカメラに使われています。

このレンズシャッターは、シンプルに「開いて」→「シャッター全開」→「閉じる」の3つの動作をするシャッターでございます。

つまりどんなシャッター速度でも必ずシャッターが「全開」するので、その瞬間にフラッシュ/ストロボを発光させれば、問題なく同調するのでございます。

ということで、レンズシャッターというのは、なんと!「シンクロ速度/同調速度が存在しない(=全シャッター速度に同調する)」シャッターなのであります。

シンクロ速度

同調しないと、シャッター膜の影が画像に写り込り込んでしまいます。

それに対して問題があるのが、主に一眼レフカメラに使われている「フォーカルプレンシャッター」です。

実はフォーカルプレンシャッターは、二つのシャッター幕の隙間(スリット)の幅で、イメージセンサー(撮像素子)に当たる光の量(=露出時間)を調整します。

シャッター幕の隙間(スリット)は、低速から中速のシャッター速度までは全開します。

その瞬間にフラッシュ/ストロボを発光させれば、レンズシャッター同様に問題なく同調するのでございます。

しかし問題はこの先で、それ以上にシャッター速度が早くなるにつれて、シャッター幕の隙間(スリット)は全開せずに、イメージセンサー(撮像素子よりも細い幅で動作するのです。

こうなってしまうとフラッシュ/ストロボを発光させても、イメージセンサー(撮像素子)にはシャッター幕の隙間(スリット)の部分しか光はあたりません。

ということで「フォーカルプレンシャッターのシャッター幕が全開で開くまでのシャッター速度」がシンクロ速度/同調速度となるのであります。

なおシンクロ速度/同調速度はカメラの性能によりまちまちですが、一般的には1/250秒辺りが多いようでございます。