トリミングとは、写真をプリントする際に画面の1部分をカットすることをいいます。
アナログ時代は、フィルムのマウントやネガケースに、トリミングラインと呼ばれる線を書き込んでトリミング範囲を指定していました。
また、トリミングしやすいように正方形のフィルムフォーマットのカメラもございます。
6 × 6cmのフィルムフォーマットをもつハッセルブラッドなんか有名ですよね。
話がずれてしまいましたが、デジタルカメラの時代になって、プリントすることが以前より少なくなってきています。
そのためか、最近はプリントする・しないにかかわらず、モニター上で画面の1部分をカットすることもトリミングと呼ばれています。
トリミングはクロップやフレーミングと混同して言われることも多いのですが……
クロップは、画面の中央部分だけを記録して、画像データを軽くすることや、望遠効果を出すことを目的に、撮影時に行われます。
また、撮影時に画面内に余分なものが写り込まないように調整することは、トリミングと言わずにフレーミングと呼ばれます。
それらに対して、トリミングはあくまでも撮影後に画面の1部をカットすることを指すのでございます。
肝心のトリミングの目的ですが、余分なものを切り捨てて主題を強調し、作品のイメージを高めることです。
また、水平と垂直のズレをトリミングで正して安定感を強調したり、空間の調整に使われる事もございます。
特にビューファインダーやレンジファインダーのカメラ、ファインダー視野率が100%では無い一眼レフカメラ等では、撮影後に周辺部に予期しなかったものが映り込んでいる事がよくあります。
それ以前に撮影者が被写体に集中しすぎたあまり、周りの不必要なものが認知できずに写り込んでしまうことも多いですよね。
そのために、撮影後の写真が撮影時のイメージと違った場合や、写真の一部分(特に周辺部)に不要なものが映り込んでいた時に、それらを取り除くためにトリミングが行われます。
トリミングにおいて意外と知られていないことがあるのですが、それは「トリミングをすることで画角が変わる」と言う事です。
周辺部を切り捨てる程に、撮影時のレンズよりも焦点距離の長い望遠レンズで撮った写真に変化していきます。
トリミングをすると中心部が拡大(引き延ばし)されるだけではなく、望遠レンズの特徴である「圧縮効果」も出てきますので注意しましょう。
トリミングはじゃんけんの後出しのようなもので、勝つためにはやらなきゃ損!みたいに考えている人も多いですが……
撮影の時に、なるべくトリミングをしなくて済むようなフレーミングを心がけることが必要です。
ちなみに、トリミングをしないでストレートに表現することをノートリミングといいます。