ワーキングディスタンスとは、レンズの先端から主要被写体のピントを合わせた位置までの距離をいいます。

うーーーん、普通の撮影距離と何が違うのかと申しますと……

撮影距離はデジタルカメラのイメージセンサー(撮像素子)位置から主要被写体のピントを合わせた位置までの距離をいいます。

イメージセンサー(撮像素子)の位置は、多くのカメラの軍艦部(カメラのヘッドカバー)にマークが付いていますので、そこから被写体までの距離が撮影距離でございます。

つまりワーキングディスタンスは、撮影距離からおおよそボディの厚みと飛び出たレンズの長さを差し引いた長さと言えるのでございます。

さて日頃普通に撮影していてワーキングディスタンス、つまりレンズの先端から被写体までの距離が気になることがございますでしょうか?

ありませんでございますね。

あ!でもある撮影では、ワーキングディスタンスの距離が重要になるのでございます。

それがクローズアップ撮影(接写ともマクロ撮影とも言います)の時なのです。

接写をする時は、近視の上にさらに老眼になった私が新聞を読むみたいにカメラを思い切り被写体に近づけます。

そうすると、何がおきるでございましょうか?

まずコツン!とレンズフードが被写体に当たってしまうのでございます。

これはまずい!ということでレンズフードを外して被写体に近づきますと、今度はレンズの影が被写体にかかり困り面食らいます。

そこでレンズの影を消そうとカメラ内蔵のフラッシュを発光させます。

ところが……撮れた写真をみるとカメラ内蔵のフラッシュでは距離が近すぎて被写体に全く光が当たっていません。

これらはみんな、ワーキングディスタンスが短いがために引き起こされた事でございます。

一般的に焦点距離の長い望遠レンズほど、ワーキングディスタンスも長いとされております。

反対に焦点距離の短い広角レンズほど、ワーキングディスタンスも短いとされております。

だったら焦点距離の長い望遠レンズで接写をすれば、先ほどの様なことにはならなくてすむのですが……

今度は被写界深度が浅くなり、特に接写ではピントが一部しか合わなくなります。

このようにあーでもないこーでもないと考えるときに、ワーキングディスタンスは1つの要因になるのでございます。